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父が救急搬送で病院に運ばれました。突然のことなので、病院を選ぶことはできません。受け入れてくれる病院があっただけでもラッキーです。

外科で搬送されましたが、高齢のため、体だけでなく心までが病んでしまいました。「淋しい」を口にすることが増え、精神的にまいっているようです。病院のスタッフの方は、それなりに対応してくれました。

しかし「厄介な患者」的レッテルを貼られてしまったのも事実です。食べる量も減り、消耗してゆく父の姿を見るのは辛いばかりです。

数週間後、肺炎を発症したことを医師から告げられました。加齢と体力低下が原因だと思います。誤嚥を避けるために食事は禁止され、栄養液を注入する管が父の体をめぐっています。

家族の気持ちは「食事をして欲しい」という思いで一杯ですが、医師の判断は「ノー」です。父も家族も辛い毎日を過ごしました。

体は痩せ細り、体力も尽きた父の姿を見るにつけ、切ない思いで胸ははりさけそうになります。

「せめて一度でもいいから、食べ物を口にして欲しい」。そんな家族の思いをよそに、父は病院で静かに息を引き取りました。

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